トリスタンダクーニャについて

今回の記事は全然生物学っぽくないことについてです。シリーズ化を狙っています。

 

以下ほぼすべてwikipediaのまとめ

トリスタンダクーニャを知っていますか?皆さんご存知の通り、トリスタンダクーニャ島は南太平洋に存在する世界で最も孤立した人口約260人の有人島です。トリスタンダクーニャ島とその周辺の無人島でトリスタンダクーニャ諸島を形成しています。イギリス領です。

 

トリスタンダクーニャ島は南端から北端まで12㎞の円形の島で、その面積は98km^2ですが、島の大部分がクイーンメアリーピークと呼ばれる海抜2062mの山の斜面であり、周囲は基本的に断崖絶壁です。北西にあるホッテントット岬周辺には平地があり、そこに島唯一の集落があります。1961年にクイーンメアリーピークが噴火した時には島の住民全員がイギリス本土に一時的に避難しました。

島の産業としてはロブスターやその加工品の輸出が大きな割合を占めています。

空港はなく、島へのアクセスは海路に限られます。病院は1つあります。

孤島であり外部との交流が少ないために島民の遺伝的多様度が低いのも特徴で、網膜色素変性症という遺伝性疾患の発症率が他の集団と比べて高いです。

その他にもいろいろ面白い話があるのでwikipediaの該当記事を読んだりしてみてください。


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Google Mapより島の位置。一番近い有人島セントヘレナなので孤立具合がすごい。

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Google Mapより島の形。手前に微妙に集落が見えている。ほぼ山。

 

 

 

 

ここからが本題で、トリスタンダクーニャはその情報をインターネットで公開すべくTristan Timesというホームページを開設しています。残念なことに更新頻度は高くないのですが(250人ぐらいしか島民がいないので)、これからこのページが更新されるたびにその記事の内容を和訳して紹介していきたいと思っています。

とりあえず今回はトップページにある記事の内容を日本語で簡単にまとめて紹介します。

 

 トリスタンダクーニャは畜産業と農業を発展させるために農業の経験があるアドバイザーを求めています(2016年1月25日)元記事リンク

トリスタンダクーニャは2016年8月から働き始める農業アドバイザーを探しています。アドバイザーは島の畜産業と農業の発展をあらゆる面からアシストすることを必要とされています。島には300匹の牛と500匹の羊のためのおよそ1000エーカー(約4㎢)の貧相な放牧地があり、島のコミュニティでは家族経営の貸し農園でジャガイモが生産されています。島民は輸入した食料への依存を減らしたいと望んでいて、果物や野菜、その他の作物の収穫を計画しています。島の農業アドバイザーという仕事には「家畜に対するAI(訳注:人工知能?たぶん違う)医療と現代医療」「耕地の輪作」「果樹園の創設、経営、発展」「広範な温室運用成功の経験を用いて温室でのマメ科牧草類栽培に貢献すること」「牛・搾乳場・羊のメンテナンス」「現在の農業スタッフに対するサポート、ガイド、トレーニングといった一般的な畜産業」といったことが含まれています。以前の宣伝にある通り、宿泊費・旅費が無料になるといったことを含む魅力的なパッケージが利用可能です。給料は経験と資格に応じて交渉可能です。契約は2年間ですが、これは船の運航予定によって変わります。興味を持った応募者は履歴書とあなたがいかに適任かを表すような250語の文章を島の広告担当者のメールアドレスに送って下さい。

畜産に暗いのでAIが何の略かわかりませんでした。その他誤訳など気づいたら教えてください。

2017/02/20追記:AIはartificial insemination、つまり人工授精の略で、修飾範囲を誤訳していました。「家畜の人工授精と家畜の現代医療」に訂正します。

 

我々の社会とはかけ離れた暮らしを島民は送っていて、その非現実感とそれが現実であるという事実がとても面白いと思います。例えば「島民は輸入した食料への依存を減らしたいと望んでいて」というところには「ここから独立する方向に進むのかよ」といったツッコミをしたくなるし、「宿泊費・旅費が無料」に関しては「トリスタンダクーニャで働くうえでネックになるのは費用じゃないと思う」というツッコミをしたくなるし、そもそも「果物を育てたい」という要求自体が面白いです。こういうのが面白いのはおそらく我々が高度に発展した文明の上で暮らしているからだと思います。

孤島であり人口が少なく産業も未発達なトリスタンダクーニャでは我々が生活する際に当たり前にしている部分が当たり前ではありません。そんな文明未発達みたいな島の暮らしや状態がインターネットでわかるのはとても面白いです。今後も観察していきたいと思います。

 

トリスタンダクーニャ公式サイト(このサイトは更新頻度がそこそこ高いです)