乾燥DNAをアメリカに送る その1

iGEMチームの活動として自分たちで新しいプラスミドを作りそれをアメリカの本部に提出するというものがありました。ちょっと手間取ったりしたので実際にどうやったかの記録を書いていきます。

 

 

そもそも普段の実験室において、プラスミドは1.5mlマイクロチューブ中のmiliQに溶けた状態で-30℃の冷凍庫内で保管されていました。これをそのまま常温で送るわけにはいきません(やったことないだけで普通に大丈夫かもしれない)。ではどう送るかという問題になってくるのですが、正解は皆さんの想像通りで、乾燥させます。

適切に乾燥さえさせればDNAは常温でもある程度安定するようになります。全合成を注文したDNAやオリゴも乾燥した状態で送られてきます。

今回提出したプラスミドは全部で11種類でした。iGEM公式サイトでは大まかに次のような手法が推奨されていました。

・iGEM本部から送られてきた96穴プレートのカバーをクリーンベンチ内で開ける

・送りたいプラスミドを250ng以上用意する。このとき25μg/μl溶液10μlが好ましい

・左上の隅から順番に1つのウェルに1種類ずつプラスミド溶液を入れていく(各ウェルに250ng以上に入るようにする)

・カバーをかぶせ、クリーンベンチのファンを回したまま4~6時間(もしくは一晩)放置し、自然乾燥させる

・全てのDNAが完全に乾いたら付属のシールで完全に蓋をする

・側面にチーム名といくつめの提出用プレートなのかをマジックペンで記入する

・適切な箱に適切な緩衝材とともに詰める

・内容物がDNAだとわかるようにするために、「DNA(non-hazardous, non-ragulated, non-infectious, for research purpose only)」と箱に書く

・郵送するときには郵送会社とtracking number(追跡番号)をメモしておいて、どんなプラスミドを提出するかをwebフォームに書き入れるときにそれらも記入する

実際に概ねこの手順に従いました。今回の記事ではマジックペンで記入するところまで解説します。

 

 

・iGEM本部から送られてきた96穴プレートのカバーをクリーンベンチ内で開ける

この通りにやりました。96穴プレートはよくあるタイプのもので、0.2mlマイクロチューブが長方形のプラスチック板上に8×12の格子点上に埋没したような、PCRの機械にぴったりセットできるような規格でした。

・送りたいプラスミドを250ng以上用意する。このとき25μg/μl溶液10μlが好ましい

・左上の隅から順番に1つのウェルに1種類ずつプラスミド溶液を入れていく(各ウェルに250ng以上に入るようにする)

今回提出したプラスミドは全部で11種類なのですが、中には25μg/μlより薄い濃度でしか用意できないものがあり、そのようなプラスミド溶液については合計で250μgを超えるように10μl以上入れました。一番左の列8つと左から二番目の列上から3つにサンプルを入れました。

・カバーをかぶせ、クリーンベンチのファンを回したまま4~6時間(もしくは一晩)放置し、自然乾燥させる

昼過ぎにセットして次の日に回収しました

・全てのDNAが完全に乾いたら付属のシールで完全に蓋をする

全然乾いていませんでした。乾燥させるためにセットしてから24時間たってから確認したのですが、確認してみたら20μl入れたものだけでなく10μl入れたものですらいくつかのウェルで液体が残っていました。

その日のうちに郵送しなければいけなかったために自然乾燥以外の手段をとる必要がありました。OBの先輩に聞いた結果PCRの機械で温めれば何とかなりそうだという話になり、蓋をした状態で60℃で温めることにしました。ゲル抽出の時に60℃で温めてるしまあ60℃ぐらいなら容器も大丈夫でしょみたいな適当な判断で温度を決めました。

温めてしばらくたつとアイロンがけしているときのようなにおいがしてきましたが、今更どうしようもないので無視しました。しばらくするとにおいは薄まりました。まだ乾ききっていなかったウェルから上がった蒸気がカバーの裏に結露していて乾燥がおこなわれていることがわかりました。

しばらくして乾燥効率が悪い気がしたので蓋を少しずらしてコンタミはしないだろうというぐらいの隙間を開けました。確か一時間ぐらいで完全に乾ききったと思います。乾ききってからはクリーンベンチ内に戻して付属の銀色のシールで密封しました。端とかがそこそこいい感じに貼れました。

・側面にチーム名といくつめの提出用プレートなのかをマジックペンで記入する

パーツ数が11なので提出用プレートは1つだけでした。側面にUT-Tokyo 1とマッキーで記入しました。

 

その2に続きます。

 

 

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